瑠璃のかなたに

古代ローマきっての食道楽アピキウス

デュラントの「世界の歴史」32巻を読み終えた後、我が家の蔵書の中から以前読んだことのあるI・モンタネッリの「ローマの歴史」をもう一度読むことにしました。
ローマの建国紀元前753年(日本の子ども達の成長を祝うお祭り、753とは覚えやすい語呂合わせ)から西ローマ滅亡の紀元476(西ローマ死して南無阿弥陀仏)までの1200年あまりの歴史を一気に読ませてくれる本です。

歴史書というと学問的な印象を受け敬遠しがちですが、モンタネッリはあえてそのような既成観念を打ち破り、一般大衆に親しんでもらえるものにしようと意図して書いたものだそうです。塩野七生本と同じく、専門家からは当然の如く、かなりの批判を受けたそうです。しかし、今に至るまで歴史の知識の貧弱な私を最後まで引き留めて一気に読みおおせさせてくれた歴史を扱った作家は塩野七生であり、モンタネッタ「ローマの歴史」です。塩野七生の「ローマ人の物語」は4度目をモンタネッリの「ローマの歴史」は3度目になりますが時期をみて読み直してみたいと思っています。

先日、ラジオのイタリア語講座で食道楽アピキウスについての話が取り上げられていました。紀元25年ごろ生誕。アピキウスに限らず、享楽のローマでは貴人たちは競って宴を催して贅沢三昧に明け暮れていたようです。その中でもアピキウスの食通ぶりはきわだっていたようです。モンタネッリのこの本にもそのことに触れた個所にいきあたり、思わずにんまりさせられました。

モンタネッリの「ローマの歴史」
 ・・ヴァエディウス・ポリオははじめて海老の養殖を試み、アピキウスは貴人で、食道楽で財産を蕩尽したが、まだ10億円ばかり残っているのに、貧乏はいやだと言って自殺してしまった。・・・


まいにちイタリア語2011年5月号から
 
ある食い道楽の突拍子もない考え: マルクス・ガヴィウス・アピキウス
 紀元前25年頃にうまれたアピキウスは、西洋で初めての食通としてのみならず、あらゆる時代を通じてもっ とも激しい浪費家として名を残しています。彼の考えでは、ご馳走は常に残酷さとの競い合いでした。彼は動物のもっとも貴重な部分(註:例えばナイチンゲールの舌、ラクダのかがとのようなもの)を、おいしいものに変えることを愛していたのです。ある料理のおいしさを称える声を耳にしただけで、それを食べるために非常に長い旅にでることを厭わないひとでした。あるエビのおいしさと大きさを自分で確認するために、リビアに行くことを決めたときもそうでした。あるとき、3億セルテルスもの金額を浪費し、あと1千万セルテルスしか残っていないと気がつくと、自分の生活を切り詰めなければならないという考えと、より質素な食べ物で満足しなければならないという考えに恐れおののき、アピキウスは毒を飲んで自殺してしまいました。

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by pypiko | 2011-05-29 08:25