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瑠璃のかなたに

聖アガタ

今、毎週一回のイタリア語講座でヴェルガ(1840~1922)著の「マラヴォリア家の人々」を読んでいます。昨年の暮れから読み始めていますので今年の暮れで一年のなるのですが全部で15章のところ今やっと9章の中程に差し掛かったところですのでまだ半年はかかりそうです。シチリアのカターニア近くの19世紀後半の小さな漁村が舞台です。おもな登場人物の全てがこの村の住人で、当然、外部との接触の少ない小さな貧しい漁村ですから、それぞれが狭い世界の中でじめじめした関わり合いをもって生活を営んでいる19世紀の閉塞感に満ちたやりきれない思いをいだかせる内容の小説です。
これこそヴェルガの力量でしょうが、読み進むうちにそれぞれの村の中での役割、立場、性格、容姿や癖などが具体化され引き込まされずにはおられません。
中でもマラヴォィア家のメーナに私の分身をおいてしまいます。メーナのニックネームは
サン・タガタです。西本晃二訳ではサン・タガタを織女姫としています。
今年の5月シチリア旅行の折、Sant’ Agataの大きな看板を目にしました。旅の途中で
とても印象深く目に焼き付けられた一件です。 
今、イタリア語のラジオ講座でイタリア24の物語が放送されています。そのうち23番目に指しかっかたところです。ついにSant’ Agataに巡り会いました。場所はカターニアです。
テキストからの抜粋です。
カターニアに住んでいた若いアガタは、ある意地悪な権力者に言い寄られました。しかし彼女の心を射止めることは出来ませんでした。そこで男は復讐したのです。アガタは捕らえられ、乳房を切り取られ殺されてしまいました。そのため、絵の中で、よくアガタは乳房を載せたお皿と一緒に描かれているのです。
  


フランシスコ・デ・スルバラン画「聖アガタ」 
聖アガタ_c0173201_833347.jpg

by pypiko | 2012-09-27 08:34 | その他