タタール人の砂漠
イタリア語講座で輪読中のジョバンニ・ヴェルガの「マラヴォリャ家の人々」が2011年2月初め頃より3年半を要し、間もなく読了する予定です。次に予定の本の候補に挙げられているのが、ブッツァーティの「タタール人の砂漠」です。
ウィキペディアによるとディーノ・ブッツァーティ(Dino Buzzati、1906年10月16日 - 1972年1月28日)は北イタリア出身で兵役の経験もあり新聞記者で従軍記者にも携わっています。
さっそくアマゾンで「タタール人の砂漠」脇 功訳を購入して読み終えました。士官学校を卒業したばかりの主人公ジョヴァンニ・ドローゴが辺鄙な場所にある砦の勤務に充てられ青春期のすべてを隔絶した世界で過ごさなければならないまま一生を終えるまでの生き様を描いた物語です。希望に満ちた青年が次第に惰性に流されていく人生を送らされていく心の変化を描いた哲学的な小説です。
読み始めてかなり進んで行っても何も特別な事件が起こらないので、もう少しもう少しと思いながら一気に最後まで読み終えてしまいました。読み終えてなんとなく人生とはこんなものなのかと考えさせられるところの多い小説でした。
原作はイタリア語です。ヴァレリオ・ズルリーニにより映画化もされています。