八咫烏
古事記の構成
- 上つ巻(序・神話)
- 中つ巻(初代から十五代天皇まで)
- 下つ巻(第十六代から三十三代天皇まで)
朝日文化センターの古事記入門講座は上つ巻(序・神話)が終わり中つ巻(初代から十五代天皇まで)が始まりました。
初代天皇神武天皇の東征についての詳しい物語で始まっています。
神武天皇カムヤマトイワレ彦の命は兄のイツセの命とともに九州の土地を離れ天下を治めるにふさわしい土地を求め東に向かいます。瀬戸内海を通って紀伊半島の西岸より上陸を試みたもののナガスネビコの率いる軍との戦いで兄のイツセの命が手に傷を負います。神の皇子が日に向かって敵に対したことが誤りであったと考えて紀伊半島の南端を通って熊野より上陸することにします。途中でイツキの命は亡くなります。一行は熊野に上陸してほどなく神の化身のクマに遭遇して失神させられてしまいます。この時天照大神と高木神の使いで熊野の高倉下が一振りの太刀をもって駆けつけます。これにより神の化身の魔力が消え失せ一行は目覚めます。これより先は天より遣わされる八咫烏の導きによって進むように伝えます。一行はいろいろな困難に遭遇しながらも大和地で国作りを始まることとなります。
八咫烏の咫(あた)は長さの単位で、親指と中指を広げた長さ(約18センチメートル)のことであり、八咫は144cmとなりますが、ここでいう八咫は単に「大きい」という意味で、古事記、日本書紀でも八咫烏は3本足の烏との記載はなく単に大きいカラスと考えられていました。後世に中国や朝鮮の伝承の鳥「三足烏(さんそくう)」と同一視され、三本足になったともいわれています。
現代では、八咫烏は主に日本サッカー協会のシンボルマークに使われています。軍事方面においても、大日本帝国時代の戦前より、八咫烏は金鵄や鷲等と共に広く意匠として用いられていたそうです。