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瑠璃のかなたに

田中秀央著 初級ラテン語読本より(34-7)

夜が明け、ポリフェムスは睡眠から目覚めると直ちに昨日と同じことをした。すなわち残りの男たちの中から二人をつかみ取り、彼らの肉を休みなしにむさぼり食べた。

それから岩を動かして家畜を洞窟から追い出した。

これを見てギリシア人たちは自らも洞窟から逃れることができるという大きな希望を持った。

しかし間もなくこの希望も無くなった。なんとなればポロフェムスはすべての羊が出て行ったあと、岩をもとの位置に戻した。

最後の望みも無くなって、彼らは嘆きと涙にくれるのみだった。

以前に我々が明言したように大いなる智将の男であったオデッセウスがたとえ危機にひんした状況をよく理解していたとはいえ、今では全く絶望していた。

しかし長い間、すべての知恵を絞って考え続けて、ついに次の計画を実行することにした。

洞窟に置かれてあった木材の中から大きな棒材を選んで、その先を念入りにとがらせた。

そして仲間に何をするかを説明した後、ポリフェムスの帰りを待った。


by pypiko | 2016-09-25 16:55 | オデッセウス