瑠璃のかなたに

カテゴリ:その他( 287 )

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 19ー2

19-2 カエサルの部下 コンシディウス
カエサルは同じ日に偵察隊から敵は自分たちの陣営から数千マイルというところに陣営を張っているとの情報を受けると山の形状や周辺の勾配などを調べさせために兵士たちを送った。
第三夜警時に司令官代理のラビエヌスに二個軍団を複数の道に精通した案内人とともに山の頂上へ上るように命じた。彼はラビネウスに自分の計画について説明した。彼自身は第四夜警時に入ったすぐ後で敵の通った同じ道を敵のもとへ向かう。そして全騎兵隊を自分の前へ行かせる。彼は軍事に精通していて、スッラの配下で、次いでクラッススの軍隊で勤務していたコンシディウスを偵察隊とともに先に出発させていた。
夜明けと同時にラビエヌスによって山に頂が占拠されたときカエサルは敵陣から1.5マイル以上離れていた。そして捕虜から確かめたところでは敵はカエサルの接近もラビエムスの接近も知らなかった。ところがコンシディウスは馬を走らせてカエサルのもとへ駆けつけるとラビエヌスが占拠するはずの山は敵によって占拠されてしまった。そのことを自分はガリアの武器と軍旗で確認したといった。カエサルは軍勢を近くの丘へ連れて行き隊列を敷く。ラビエヌスはカエサルにより、いたるところから一斉に敵軍へ攻撃できるように、自分たちの部隊が近くに現れるまで戦闘を始めないように指示されていた。山を占拠したままカエサルの部隊の到着を待った。真昼になってやっとカエサルは偵察隊を通して真相をつかむ。つまり山の頂はは味方によって占拠されている。コンシディウスは恐怖のあまり動転して見ていなかったものを見えたかのようにカエサルに知らせていた。その日はこれまで通りの間隔で敵の後を追った。彼らの陣営より3マイルほど離れたところに味方の陣営を構築した。(1ー21-22)
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by pypiko | 2017-07-20 08:29 | その他

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 19-1

19 カエサルのガリア戦争
(1)ガリア 1-ⅰ
ガリア全体は三つの部分に分けられ、その一つにベルガエ人が住み、他の一つにアクタニ人が住み、彼ら自身の言葉ではケルタエ人、我々の言葉ではガリア人と呼ばれる人々によって住まわれている。これらは全部、言語、制度、法律の点で異なっている。ガッリア族をアクタニア族からガルンナ川(今のガロンナ川)がベルガエ族からはマドロナ川(今のマルヌ川)とセクアナ川(今のセーヌ川)が分けている。これら部族すべてのうちでベルガエ族が最も強い。何故なら教養ある属州の洗練された生活様式から最も離れていて、精神を軟弱にする物品をもちこむことは稀であった。その上レーヌス川(今のライン川)の対岸に住むゲルマニア族にもっとも近くに居住し彼らと絶えず戦争をしていたからである。同じ理由からヘルヴェティ族は残りのガリア族に武勇の点で優っている。それは彼らがほとんど毎日、ゲルマン族と戦闘を行っていたからである。ヘルヴェティ族は彼らの領土で敵と戦うことを避けて、敵地で戦争を行っている。

これらの部族のうちガリア人が占拠していると述べた部分はロダヌス川の始まりガルムナ川、大洋、ベルガエ族の領土に囲まれている。さらにセクアニ族とヘルウェーティー族のところでレーヌス川に接しており北へ向かって傾いている。
べルガエ族はガリアの領土のはずれに始まり、レーヌス川の下流に達し北東に向いている。アクィーターニアはガルムナ川からピレネー山脈並びに大洋のヒスパニアにつづく部分に達しており西北に向いている。

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by pypiko | 2017-07-13 10:38 | その他

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 18

18 プブリリウス シィルスの格言
プブリシウスは紀元前一世紀の人黙劇作家、彼の死後、彼の作品の中から、劇中の人物の吐いた名文句(約730)が抜粋され編纂された。
① 恐れることを知っている勇気は、安全に前進することが出来る。
② 貪欲漢にいたるはわが身の悲惨さが原因である。
③ 他の人々に属することが我々にとって好ましいと我々に属することは他の人々にとってはより好ましい。
④ 目からあふれ出るように愛は胸に落ちる。
⑤ 名ばかりの友人を持つことは不幸である。
⑥ 美徳は進んで行うと成長し、恐怖は成長を遅らせる。
⑦ 誠実な友人よりも良いものは何も買うことはできない。
⑧ 親切を受け取ることは自由を売ることである。
⑨ 怒りの記憶は最短であれ。
⑩ あらゆることに秀でた男はいない。
⑪ 死を望むときに死ぬことの出来たものはよく生きたことになる。
⑫ 将来後悔するようなことを始めないように気を付けろ。
⑬ 残忍なるものは涙で養われ壊されることはない。
⑭ 人は愛するときには分別がないが分別があるときには愛さない。
⑮ 賢者は他人の欠点を見て自分の欠点を直す。
⑯ 幸運はもろい。輝くとき壊される。
⑰ あゝ、長く生きることはなんと多くの後悔することが起きることか。
⑱ 遺産相続人の泣きの仮面の下に笑いあり。
⑲ 嫉妬心は何が見えるか、何が手元に残るかを話す。
⑳ 話したいと思うことを黙っていること強いられるのは哀れである。
㉑ 常に自分が生きようと考えるものは不幸に生きる。
㉒ 子供の死は幸福である。若者の死は痛ましい。老人の死はあまりにも遅い。
㉓ ふさわしいものが命令するときはいつも平静な心で従う。
㉔ 恥じらいは教えられることはできない。自ら生まれるものである。
㉕ 神が与えるを知るものは少数者のものである。
㉖ 憎しみなしにすぎる人生はなんと幸せなことか。
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by pypiko | 2017-07-07 19:32 | その他

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 17

ファエドロスのイソップ物語
散逸されていたイソップ物語(紀元前6世紀ごろの作品)が後年ファドロス(紀元1世紀前半の人)によって集められた。他に他の作者による小咄や逸話とともに約130編が集められている。ここではそのうちの4作品が紹介されている。


川を渡って肉を運ぶ犬
他者のものを求めるものは自分のものも失う。
犬が川を泳いで肉を運んでいるときに、水面に自分の姿を見た。今やもう一つの餌食が、他者によって運ばれているものと考えて奪い取りたくなった。今や彼は貪欲さゆえに、持っていた餌食を落とした上にさらに求めていたものに触れることさえできなかった。


狐の悲劇に寄せて
狐は偶然に悲劇の仮面を見た。
なんと見事な外見であることよ。しかしこれは脳を持っていない。
この言葉は運命の女神が、名誉と栄光を与えた人間に対して当てつけて言われたものである。


人間の欠点について
ゼウスは我々に二つの頭蛇袋を持たせた。背中には自分の欠点を満たした袋を背負わせ、胸の前には他人の困難を満たした頭蛇袋をつるさせた。このため我々は自分の不幸を見ることが出来ない。すなわち他人が罪を犯すとたちまち我々自身が検察官となる。


引き裂かれた蛙と牡牛
無力なものが強力なものをまねたがっている間に死んだ。
ある時、蛙が牧草地で牡牛にあった。
牡牛の大きな体格に嫉妬して、蛙はしわの寄った外皮を膨らませて、蛙は牡牛に向かって、彼らが生まれた時、これよりも大きかったかどうかとたずねた。
牡牛たちはもっと大きかったと答えた。蛙はさらに外皮を膨らませて同様にたずねた。
彼らはもっと大きかったと答えた。
怒った蛙はより大きくなることを望んでさらに膨らませた。ついに蛙は外皮が破裂して死んだ。
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by pypiko | 2017-06-29 18:23 | その他

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 16

ローマのユーモア

ナシカがローマの詩人エニウスのところへやって来た。玄関のところで会見を願ったところ、女中が主人の命令で主人の不在を告げるのを聞いて、主人は在宅であるのを感じた。 
幾日もたたない少しあとでエニウスがナシカのもとへやって来た時、彼は戸口のところでナシカとの面会を求めたとき、ナシカは家にいないと叫んだ。その時エニウスは「なぜだ。私がお前の声を知らないというのか」と言った。
「私はあなたをたずねたとき、あなたの女中があなたは家にいないというのを信じた。あなたは私を信じないのか」

自分の妻をさがしていたある人が「妻はジクの木にぶら下がっていた」言ったとき、彼の親しい友人が「どうかお願いだから、その枝を挿し木するから(再生させることを暗示しているのか?)」といった。

同族の間である人がカトールスは演説が下手くそだといった。カトールスは結論において自分は同情心を引き起こしたと考えたので演説の後で彼のそばに座って尋ねた。
「自分は聴衆に憐憫を起こさせたようであったか」と尋ねた。
すると彼は「いや全く、大変な憐憫を起こさせたとも」と答えた。そして付け加えていった「誰も憐憫に値すると思わないほど心無い人はいない」と。
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by pypiko | 2017-06-13 14:52 | その他

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 15

15 カエサル
内戦が終わってカエサルは独裁官に選ばれ、ますます傲慢になり始めた。元老院の議員たちがやってきても、座ったまま応対した。そしてある議員が立つように促すと怒った顔でそのものの方を振り向いた。
しかしカエサルの仲間であり、執行官職において同僚であったアントニウスは演壇の前のカエサルの黄金の椅子に王のしるしとしての王冠を置いた。
それ故にカシウスとブルータスを指導者として60人以上の男たちによって陰謀が企てられた。
3月15日カエサルが元老院にやってきたとき数人が用事を口実に座っているカエサルを取り囲んだ。そのうち共謀者の一人が何かを懇願しようとするかのようにより近くに近づいた。そして彼の肩からトーガをつかみ取った。
それから「たしかにそれは暴力だ」と叫んでいるカエサルをカシウスが彼の喉のすこし下を傷つけた。カエサルはカシウスの腕をつかんで鉄筆で刺したあと、跳んで逃げよとしたときもう一つの傷を受けた。これに気付いたとき、自分自身の短剣を抜いていたるところを刺し、トーガで頭を包み、その後35の刺し傷で刺殺された。
カエサルは背が高く、目が黒く、禿げ頭であったのでたびたび笑いの的になっていた。カエサルはこの頭の醜悪さを不快に思っていた。そのためすべての名誉のうち、元老院と市民により決議された月桂冠を被る権利を喜んで利用した。彼がワインを節制していたことは敵たちでさえ否定していなかった。それゆえカトーは常に言っていた。「カエサルは国家を転覆させることをしらふで計画している」と。
カエサルは軍隊と乗馬に精通していた。信じることが出来ないほど努力家であった。行軍隊形の時に馬にのって、より頻繁に徒歩で先頭に立って進んだ。日照りでも雨の時でも頭の被り物はとりさっていた。非常に長い道のりを信じられない速度で進んだ。しばしば自分のもとから派遣された伝令を追い越すほどであった。川に阻まれた際には泳いで渡るか膨らんだ革袋につかまって渡った。
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by pypiko | 2017-06-04 12:15 | その他

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 14

14 キケロ
M.T.キケロはヴォルチ族の町アルピニの騎士の家系の生まれである。彼の祖父の一人には鼻の先に疣があった。その疣はエジプト豆の粒(キケル)に似ていた。
そのことから氏族名キケロがつけられていた。
そのことがある者たちによって悪口のために向けられたときキケロは言った。「私は君に注意を与えよう。君の名前が非常に高貴な名前の輝きに負けることのないように」。
キケロは学校から帰るときに同胞たちが彼を王であるかのようにとり囲んで彼の家へ向かったほどに輝いていた。
それどころか彼の名声に酔いしれて彼の両親は彼を見るためにしばしば学校を訪れていた。
しかしながらこのことは粗野で無教養な人々に苦々しい思いを抱かせた。彼らはキケロを取り巻く学友たちをひどく叱責した。
キケロは機知にとんだユーモアを愛するものであった。敵たちから執政官級の道化師だと呼ばれるのにも慣れているほどであった。
キケロの婿はキケロの家系のものであったが小柄な人物であった。彼が長い剣を帯びているのを見てキケロは言った。「誰が私の家柄を剣で縛り付けているのか?」と
ある人妻が実年齢よりも若いふりをして、せめて30年前だったらとたびたび繰り返していた。この言葉を聞いてキケロは「この言葉を聞いてもう20年目だ(もう20年間この言葉を聞いている)」といった。
カエサルは二人のうち一人の執政官が十二月の最後の日に死んだとき最後の何時間かの間カニニウスが執政官となったことを発表した。
そこでこれまでの習慣で多くのものがカニニウスに祝辞を述べるために急いでいた時にキケロは言った。「急いでいきましょう。彼が執政官の職を離れる前に」。
キケロはカニニウスについて書いた。「彼はすごく用心深い性格であった。彼は全執政官であった間眠ることはなかった」と。
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by pypiko | 2017-05-21 21:21 | その他

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 13

13アルキメデス
シチリアに捕らえられていたアルキメデスは驚くべき戦術用機械を使って長い間シチリアを守っていた。ローマの将軍マルチェスはアルキメデスに暴力を振るわないようにシチリア人に警告していた。ある時アルキメデスが砂の上に図形を描いている間に略奪するために家に押し入ろうとしたローマの兵士に、「お前は誰だ」尋ねると兵士は緊張のあまり何も答えなかった。そこでアルキメデスはその兵士に言った。「もし何でもないなら、私の円を乱さないでくれ」といった。それ故、誰であるかわからない兵士に殺された。
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by pypiko | 2017-05-14 09:04 | その他

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本12

12 ディオゲネス
ディオゲネスはプラトンがこのように定義しているのを聞いた。
「人間は翅のない二本足の動物である」と。
プラトンの弟子がこの定義を気に入ったので、ディオゲネスが雄鶏をプラトンの学校へ持ち込んで言った。
「ほら見ろ。これがプラトンの言う人間だ」と。
アレクサンダーはコリントに滞在中、ディオゲネスを知るために仲間とともに彼のもとへ出発した。アレクサンダーは彼の前であいさつをして、その後何か必要なものを言うように要求した。
しかしディオゲネスはアレクサンダーに言った。「一つお願いがあります。少しだけ太陽から後ろに下がってください」と。
このこと聞かされてアレクサンダーは言った。
「もしアレクサンダーでなかったら、ディオゲネスでありたいものだ」と。
灯したランプを持ち歩いているディオゲネスは広場でとても明るい光を持って何かを探している人のように散歩していた。
何をしているのかと尋ねた人達に彼は言った。「私は人を探している」。
こう言って国家の体制を非難して続けた「人間の名にふさわしいものはほとんどいない」と。
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by pypiko | 2017-05-13 05:17 | その他

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 11

ビアースはギリシアの七賢人であった。
ある時、邪悪な人間たちと同じ船で航海をしていた。
逆風の嵐で船は沖で波に投げられ、ゆすぶられたときに、彼らは神々を呼んだ。
その時、ビアースは言った。「だまれ。お前たちがここで航海をしていることを神々が気付かれないように。」
ビアースの祖国プリエネを敵が占領していた。
今、他の逃亡者たちは彼らのものから多くのものを持ち逃げしようとしていた。
そこで彼も同じことをするように忠告されたとき、彼はこたえた。
「私は実際そうしているのだ、なぜなら私のもののすべてを(つまりお前たちもこの船もひっくるめて)私が運んでいるのだ」と。
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by pypiko | 2017-05-05 17:14 | その他