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瑠璃のかなたに

イタリア旅行

はじめに

夫が亡くなったのは昨年2008年の3月18日でしたから、早いもので、もう1年半が経ってしまいました。夫はS11年3月30日生まれの早生まれで、私はS12年9月3日生まれなので2学年違いで私の方が1歳半年下です。8月25日現在、夫の生年を追い越してしまいました。2人の息子は巣立って遠方で暮らしていますので、いざとなったら駆けつけてくれるにしても、夫に先立たれた今は一人暮らしです。家事と仕事に明け暮れる日々を送ってきましたので、寂しさもあるとはいえ、時の経過とともにそれも和らぎ、これからは、あまり多く残されていない全ての時間を自分の思いのままに、自由に割り振れるのはありがたいと思っています。

夫が仕事を辞めてこれから二人で第二の人生を旅立とうと言うとき、非情にも癌に冒され1年半の経過で去っていってしまいました。それでもその短い間に私たちは八回も外国旅行が出来ました。そのうち五回はギリシャ旅行でした。夫はそれまで海外旅行は一度もしていませんでしたし、私は26年前に一度だけ10日間のドイツ旅行の経験があるのみでした。

ギリシャへは、通り一遍の観光ルートにとどまらずレンタカーでの日本人のあまり訪れないイオニア諸島やペロポネソス半島の南端まで行ったりしました。エーゲ海の島々もクレタ島も見ました。肺癌患者の夫がクレタ島の海岸から、イオニア諸島の一つコルフ島の海岸から、エーゲ海とイオニア海で泳いだのですから立派です。

私と夫はともに医者でしたので忙しい仕事の空き時間を使って、大学の科目外履修生の制度を利用して若い学生に混じって古代ギリシャ語やヘブライ語の勉強をしたりしながら、地中海世界の歴史や文化に触れてきましたので、夫が生きていれば今度はイタリア旅行をするはずでした。

私は夫が亡くなって早い時期にイタリアへ行くことに決めました。そのために昨年5月から中断していたイタリア語を習い始めました。今年4月からは初級講座に加えてイタリア語上級講座を2箇所の教育機関で受けています。塩野七生さんのローマ人の物語、須賀敦子さんの全集は私の今の愛読書です。

という事で念願のイタリア旅行、まずはJTBの「旅物語」企画の「憧れのイタリア旅周遊9日間」に参加しました。メンバー15人のうち、ペアー-やグループで参加なさっていらっしゃった14人の方々に混じって、一人参加は私だけでした。最高齢で虚弱体質の私が最後まで旅を無事に終えることが出来るかどうか危惧していましたが皆さんに助けていただきながら楽しく旅をし終えることができとてもうれしく思いました。
by pypiko | 2009-08-26 07:43 | イタリア旅行