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瑠璃のかなたに

音楽家ヴェルディについて

イタリアオペラの作曲者の第一人者をあげるとすれば、ヴェルディかプッチー二でしょうか。
簡潔にいえば、ヴェルディのオペラはストーリーが複雑でメロディが重厚なため、少し取っつきにくい感じがしますが心の奧底から深い感動を呼ぶものが多いようです。対照的にプッチー二のオペラは庶民的な題材を扱ったものが多く、メロディが軽快で美しく聴かせどころで観客の涙を誘ったり、怒らせたり、笑わせたりします。

ヴェルディの代表的なオペラの傑作をあげれば「リゴレット」「椿姫」「アイーダ」「トロヴァトーレ」などが、プッチーニの代表作は「ラボエーム」「トスカ」「蝶々夫人」「ジャンニ・スキッキ」などが上げられます。

プッチーニーの浮気癖は有名でイタリアの街角で「一番好きなイタリア人の作曲家は?」と問えば、多くのイタリア人はウインクしながらプッチーニの名前を挙げるようです。それに対してウェルディはイタリアを代表する偉大なオペラの作曲家と考えられているようです。

NHKラジオの「まいにちイタリア語」で、週一回関孝弘先生と奥様のマリアンジェラ・ラーゴ先生の~イタリア音楽への招待~というのがありました。その番組の12月24日放送されたものの中で、ウェルディに関する良いお話がありました。

ヴェルディの創設した養老院
第12回の放送からの抜粋です。
世界で始めてで唯一という、音楽家のための養老院がミラノにあります。その名も「音楽家の憩いの家」。有名なイタリアの作曲家ヴェルディが人生の総決算として私財を投じて建設した施設で財産、作品の印税収入はこの施設維持のために使うと遺書に記されています。
パイプオルガン付きの小ホールや練習場、礼拝堂、食堂、病院などが完備された3階建ての美しい建物には、100人以上の引退した音楽家が今でも余生を送っています。
ここにはミラノの音楽学校に在籍する貧しい音楽学生も入居し、人生経験豊かな音楽家達との交流が行われています。
多くの傑作を世に送り出したヴェルディがみずから「あの家はまさに(私の生涯で)最もすばらしいオペラ(作品)!」と断言した「音楽家の憩いの家」。
その敷地内に設けられた地下聖堂でヴェルディは愛する妻のジュゼッピーナとともに眠っています。
まさにヴェルディとプッチーニの生き方の違いがオペラの作品に表れているのですね。
by pypiko | 2010-12-28 11:12 | その他