瑠璃のかなたに

田中秀央著 初等ラテン語読本より(34-6)

そのことが行われている間、かくも大きな恐れがギリシア人の心を占領していたので、彼らは声さえも出すことができなかった。 そこであらゆる救助の望みを捨てて目前の死を待った。

ポリフェウスはかくも恐ろしい食事で飢えを満たすと横になって眠ってしまった。

オデッセウスは次のことを首尾よくやるのに絶好の機会だと考えた。すなわち剣で怪物の胸をまさにつかんとしていたのだ。

しかしそれを実行に移す前に、いかにして洞窟から脱出するかを検索することを決心した。

入口を塞いでいる岩に気付いたのだ。もしポリフェウス殺してしまったなら、自分たちにとって何の助けのもならないことを認識した。

なんとならば、その岩の大きさは実に10人の人間が集まっても動かすことができないほどであった。

そのような事態であったのでオデッセウスはこの企てをあきらめて仲間のところへ戻った。

彼は自分たちがどのような状態のあるかを理解して、自分の運命についてあきらめ始めた。

しかし彼は、仲間たちが勇気を失わないように激しく励ました。なぜなら、以前にもすでに大きな苦境にあって神が援助をもたらすであろうことを疑わなかったために大きな危険から逃れたことがあったからである。


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by pypiko | 2016-09-21 18:46 | オデッセウス