瑠璃のかなたに

田中秀央著 初級ラテン語読本より(34-8)

夕方、ポリフェムスは洞窟に戻ってきた。そして前と同じ方法で夕食をとった。

そのとき、オデッセウスはこのような場合よくしていたように偶然に持っていたワインの革袋を取り出した。そして大きな混酒器にワインを満たして巨人に飲むように差し出した。

これまでこのようなものを味わったことのなかったポリフェムスは一気に飲み干した。そして再び、そして三度も混酒器を酒で満たすように命じたほどに大きな快楽を感じた。

そして巨人はオデッセウスに彼の名をたずねた。彼は自分の名は「なんでもない」と答えた。

それを聞いてポリフェムスは次のように言った。

「お前には多くの親切を受けた。そのために感謝の気持ちを伝えよう。すなわち最後に食べるとしよう」。

このように言って、食事とワインで重くなった体を横たえた。そして間もなく眠りに落ちた。

その後、オデッセウスは仲間を呼び集めて次のようにいった。

「我々は攻めるよりも有効な可能性を持っている。物事をよりよく行うために、大きな機会を失わないようにしよう」。


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by pypiko | 2016-10-02 10:49 | オデッセウス