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瑠璃のかなたに

田中秀央著 初等ラテン語読本より(34-17)

しばらく行くと大きな別荘に着いた。この別荘を目でよく観察して直ちに中へ入ることに決めた。何故ならエウリロコスが言っていた建物と同じであることが分かったからである。
彼がまさに入口を通り抜けようとしていた時に突然に彼の前に美しい青年が黄金の杖を持って現れた。
彼は今や家の内部に入らんとしていたオデッセウスの手をつかんだ。「どこへ行く?」「これがキルケの家だとは知らないのか?」
お前の仲間は人間の姿から豚の姿に変えられて閉じ込められているのだぞ」
「お前自身も同じ災難に見舞われたいのか?」
オデッセウスはその声を聴いてヘルメス神だと分かった。ヘルメス神から与えられた助言に従うことで魔法を追い払うことができた。
つまり、ヘルメス神は彼にある草を与えた。「お前がなすべきことを忘れるな」といった。
その後ヘルメス神はうすい大気の中を遠くへと立ち去った。
by pypiko | 2016-12-13 19:53 | オデッセウス