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瑠璃のかなたに

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 1-ⅲ

1-ⅲ
泉のほとりの鹿
鹿が自分の姿を水に映して見つめていた。
自分の枝の多い角をほめていたがあまりに細い脚をとがめていた。
鹿はすぐ近くで犬の吠えるのを聞いて驚いた。
犬は逃げていく鹿を後から追いかける。
しかし鹿は野原を難なく走って逃げる。
森へと逃げ込んだ。
しかしやがて枝の多い角がどこででも邪魔をする。
やがて犬が歯で彼を捕まえる。
その時鹿は死に瀕して自分の誤りに気づいた。
そして脚をほめて言った。「足の速い脚よ。私を破滅させたのは角だ」。
by pypiko | 2017-01-29 13:53 | その他