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瑠璃のかなたに

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 8

8 貴族と平民
ローマ人は近くの国に対して戦争を行っていただけでなく、市壁の内部においてさえ国民が互いに争っていた。
この時期に階級が二つに分かれた。貴族と平民である。
古代のある種族に生まれた階級の者が共和国のすべての支配を自分たちで行っていた。何故なら平民の誰もが執政官に選ばれることはなかったからである。平民は公共の土地が正当に分け与えられなかったことに不平を言っていた。戦争で征服した領土は公平に市民に分け与えられていなかった。何故なら大部分の土地は貴族が占めていた。そして平民は彼らの小さな土地を大きな困難に立ち向かいながら耕していた。平民はしばしば負債を抱えた奴隷となった。
それほど古代ローマの習慣は平民にとって厳しかった。ついに平民は都市を捨てて3マイル離れた聖山へ退いた。そこで陣営を築いてもう一つの町を作ることを望んだ。
そこで貴族たちはメネニウム・アグリッパが使者として平民側へ送られることがよいと思われた。アグリッパは陣営内に迎え入れられた。かつて体の真ん中にいてのんきに快楽を享受していた腹は体の他の部分の働きで腹を満たしていると見られていたのだから、体の他の部分すなわち四肢は怒って自分たちの仕事を放棄することを決断した。しかしやがて腹のみならず四肢も飢えで滅び始めた。そして四肢自身も腹と一緒に自らの努力で養われていること悟った。そこで公正な平和を協定で取り決めることとなった。
この話に諭されて平民は町へ帰った。
by pypiko | 2017-03-31 12:18 | その他