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瑠璃のかなたに

松平千秋 国原吉之助共著 ラテン語読本 16

ローマのユーモア

ナシカがローマの詩人エニウスのところへやって来た。玄関のところで会見を願ったところ、女中が主人の命令で主人の不在を告げるのを聞いて、主人は在宅であるのを感じた。 
幾日もたたない少しあとでエニウスがナシカのもとへやって来た時、彼は戸口のところでナシカとの面会を求めたとき、ナシカは家にいないと叫んだ。その時エニウスは「なぜだ。私がお前の声を知らないというのか」と言った。
「私はあなたをたずねたとき、あなたの女中があなたは家にいないというのを信じた。あなたは私を信じないのか」

自分の妻をさがしていたある人が「妻はジクの木にぶら下がっていた」言ったとき、彼の親しい友人が「どうかお願いだから、その枝を挿し木するから(再生させることを暗示しているのか?)」といった。

同族の間である人がカトールスは演説が下手くそだといった。カトールスは結論において自分は同情心を引き起こしたと考えたので演説の後で彼のそばに座って尋ねた。
「自分は聴衆に憐憫を起こさせたようであったか」と尋ねた。
すると彼は「いや全く、大変な憐憫を起こさせたとも」と答えた。そして付け加えていった「誰も憐憫に値すると思わないほど心無い人はいない」と。
by pypiko | 2017-06-13 14:52 | その他