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瑠璃のかなたに

優しいラテン語読本 43

43 ミューズとセミ3

住民たちはこのすばらしい響きを喜んだ。

ミューズたちは長い間歌を歌い、住民たちはほかのことを忘れて聞きほれ、そして食べる時間も寝る時間も持たなかった。

幾日も幾時間もアウロラがチトヌスのサフラン色の寝床を離れる朝も夕暮れが星を天に戻す晩も歌っていた。

こうして住民たちは夕食も昼食もわすれてすばらしい響きに聞き入り神々しい歌を好むあまり一日一日と弱っていった。

ついにミューズたちは住民たちが弱りはてたのを知って哀れに思って彼らをセミに変えた。

だからセミたちはいつまでも神々しい歌を覚えていて一日中ないているのである。


by pypiko | 2018-06-22 12:41 | その他