瑠璃のかなたに

2018年 07月 06日 ( 1 )

やさしいラテン語読本 44

44 ミティウス クルチウス

かつてローマの広場で大地が裂け、広い深い裂け目が現れた。

全市民はたくさんの岩を裂け目に投げ込んだ。しかし裂け目は一向にふさがらず、日ごとに大きくなった。

それで恐ろしくなった市民たちは「不死の神々が最悪のわざわいをローマ市民に予言しているに違いない」といった。

それでローマ市民たちはシビリヌスの秘書に神託を求めた。

司祭たちはシビリヌスの秘書から驚くべき神の答えを聞いた。

かれらは言った。「ローマ人が最も貴重なものを投げ込まない限り、広場の裂け目はうまらないであろう。」

そこで市民たちは金、銀、宝石を広場へ運び、裂け目に投げ込んだ。

けれども裂け目は依然として埋まらなかった。

その時ローマの騎士ミティウス クルチウスが叫んだ、「ローマ人にとってはあるものが何にもまして貴重である。

我々は金でも銀でもなくローマの戦士であるローマの青年をもっとも尊重している。

私はローマの戦士、ローマの青年を死の神々に献上しよう。

そういうとすばらしい武具に身を固め馬を駆けって裂け目の中に躍り込んだ。

裂け目は直ちに塞がりそしてその後二度と大地は割れなかった。


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by pypiko | 2018-07-06 05:12